主に前腕部での切断での使用に用いられます(手関節に極端に近い場合は手義手と呼ばれる場合もあります)。上腕義手同様、骨格構造と殻構造の2種類があり、また作業用・装飾用ともに製作することができます。
当社では、筋肉が収縮する際に発生する筋電シグナルで操作する筋電義手(電動義手)の製作実績もございます。筋電義手は開閉動作が可能になるために煩わしいハーネスも不要となり、また手先具に電動で動くハンドやフックを利用すれば作業の幅はずっと広がります。ただし操作には訓練が必要で、まだまだ普及には至っていないのが実情です。
手掌での切断は手部義手(残存する指がある場合もある)、指のみの切断は指義手と呼ばれます。まれに作業用を製作する場合もありますが、ほとんどの場合は装飾用です。指キャップは支給基準内での受注可能です。しかしながら装飾性の優れた特殊メイクのような義肢は基準外交付となるため、他社様の紹介となります。
骨盤からの切除や大腿骨を切り離した切断(離断)、極端に短い大腿骨の切断者にも利用可能な義足でです。ソケットは骨盤全体を覆うようなデザインになっており、椅子に座るような形でソケットを装着します。
継手は股・膝・足(固定の場合あり)の3つにまたがるため、義足操作を習得するためには相応の訓練が必要となります。
大腿部からの切断者が用いる義足で、ソケットは大腿部を筒状に覆うものを骨盤の一部まで差し掛かるように製作し、体重支持を行います。ただし、股関節は曲げ伸ばしをすることが可能です。継手には膝・足(固定の場合あり)の2関節があります。義足操作も習得するためにはある程度の訓練が必要となります。
膝のお皿(膝蓋骨)を含む・含まないを問わず、膝の関節の一部を残したまま下腿を切り離したような状態の切断者のための義足で、体重の支持方法によりソケットデザインは異なります。
大腿部の先に体重支持ができる要素がある場合、骨盤には掛からないようなソケットデザインとなります。逆に大腿部の先に体重支持ができない場合は大腿義足同様に骨盤に掛けて体重支持を行う必要があります。
継手は大腿部同様に膝と足(固定の場合あり)の2関節となりますが、スペースの狭さから使用できる継手の種類は限られる場合が多くなってしまいます。また義足操作を習得するためにはある程度の訓練が必要となります。
下腿部の切断者が膝関節部分の残った状態で使用するための義足です。長さがくるぶし付近まで差し掛かった場合はサイム義足と混同しがちですが、サイム義足の場合はくるぶしを含むもので、くるぶしを含まずに切断(横切断)している場合は下腿切断長断端であり、あくまで下腿義足と呼ばれます。
継手は足(固定の場合あり)の1関節で、サイム義足の場合は継手スペースがほとんどなくなり、パーツの選択は限られてきます。